夕暮(ゆうぐ)れの多摩川(たまがわ)です。
あたりをキョロキョロ見(み)まわしながら、誰(だれ)かがやってきました。
「
バッサ、バッサ、バッサ
」
何(なに)かを刈(か)り取(と)っています。
「
バッサ、バッサ、バッサ
」
吾作
「
ふう、これであらかた刈(か)りとったぞ
」
その男(おとこ)が帰(かえ)りかけると、後(うし)ろのほうで音(おと)がします。
吾作
「
はて?誰(だれ)もいなかったはずだが?
」
男(おとこ)が音(おと)のするほうへ行(い)ってみると―
瀬田のヨモギ団子