吾作(ごさく)の店(みせ)では、吾作(ごさく)と女房(にょうぼう)が言(い)いあらそいをしているようです。

吾作 「くそぉー。あのババアのおかげで、こっちの商売(しょうばい)はあがったりだ
女房 「おまえさん、なにブツクサ言(い)ってるんだよ。客(きゃく)がみんな素通(すどお)りしちまうじゃないか
吾作 「そんなこと言(い)ったって、みんなおヨネババアのヨモギ団子(だんご)のほうへ行(い)っちまうんだよ

どうやら、お客(きゃく)がこなくて困(こま)っているようです。

白団子(しろだんご)みたいに、白(しろ)くて丸(まる)い女房(にょうぼう)が言(い)いました。
女房 「しょうがないねえ。うちもヨモギ団子(だんご)、作(つく)るかい?
吾作 「冗談(じょうだん)じゃねえや、ヨモギなんか使(つか)えるかい!うちの団子(だんご)は、まっ白(しろ)、もち肌(はだ)の白団子(しろだんご)よ!
女房 「そんなえらそうなこと言(い)ったって、このままじゃ、首(くび)をくくらなきゃいけないよ。どうすんだい!

女房(にょうぼう)の言(い)うことも、もっともです。吾作(ごさく)は考(かんが)えこんでしまいました。

吾作 「よし!いい考(かんが)えががある
吾作(ごさく)は何(なに)か思(おも)いついたようです。

瀬田のヨモギ団子